パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

Evergreen

Evergreen Days (マーブルコミックス)

Evergreen Days (マーブルコミックス)

タバコを吸っているところを化学教師の高坂に見つかった沢本。あっさり「一本くれ」と見逃されて、沢本は教師らしくない高坂に興味を持ちはじめる。
友人たちとバカやるだけの毎日に退屈していた沢本は、高坂に恋してテキトーにはいかない想いに翻弄される。年が近くても、教師らしくなくても、生徒と教師のあいだにははっきりと線がある。学校は高坂の仕事場で、素のままの顔を見せてくれはしない。そつなく教師という役割を務める高坂に、沢本は剥き出しの想いをぶつけていく。
大人ぶっていても高校生らしい純粋さを残す沢本と、教師とはいえどまだ二十代の青年でしかない高坂。ふたりがそれぞれに、大人と子どもの境界で揺らいでいるのがよかった。
地味な絵柄も地に足の着いた作風に合ってる。