パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

青空の下で抱きしめたい

青空の下で抱きしめたい (二見シャレード文庫)

青空の下で抱きしめたい (二見シャレード文庫)

職業ホストのヤモメパパ(22歳なのでオヤジとはいえない。)と、倒産・夜逃げ・リストラと就職難民の呪いをかけられたニート青年のアットホームラブ。
子連れBLが大好きなのでうきうき購入。しかし、パパが二人というよりも、なりゆきで子どもたちの面倒をみることになってしまった青年の受難話だった。
攻めの征也は典型的な、子どものまま子どもを作ってしまった若者。ホストとして金銭面では何不自由なく娘を養いつつも、「親」としての自覚はいまひとつ芽生えていない。
仕事を失い、人に必要とされることに飢えていた裕希は、そんな危なっかしい子ども二人の世話を焼くことに自分の存在意義を見出していく。
ロリコンの変質者と勘違いして、征也が裕也殴りつけたのが二人の出会い。
出会い頭の一度目はハプニングとして水に流すにしても、その後も征也は思いどおりにならないことがあれば暴力で裕也を捩じ伏せることが多くて、従順な裕希が心配になった…。力で勝てば黙らせることができる、という幼少期からの思い込みを征也がきちんと払拭しない限り、またDVが繰り返されるのでは。
ハッピーエンドだったものの、彼らの行く末が気がかりだ。