パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

伊達オトコな真田さん!

伊達オトコな真田さん! (もえぎ文庫)

伊達オトコな真田さん! (もえぎ文庫)

鳩村さん新刊3連発のラスいち。これまたおもしろかった!
三冊のなかでも最もお仕事シーンが際立つワーキングBL。
こうなれば鳩村さんの独壇場。折り返し点近くまでラブの予感がほとんどなく、まるで「サラリーマン金太郎」状態なのに頁繰る手が止まらない。
スーパー営業マン・真田さんと、その破天荒な仕事ぶりに振り回されつつも、やがて彼の規格外の度量の大きさに惹きつけられていく新入社員・筝浦の奮闘記。
登場人物にはそれぞれ戦国武将と同じ名前がつけられている。このBLらしからぬタイトルも「真田(幸村)なのに、伊達(政宗)みたいな真田さん」という意味らしい。なんじゃそりゃ!?なタイトル以上に、真田さんのキャラの立ちっぷりが尋常じゃない。
この真田という男、とんでもない人たらしなのだ。むやみやたらな自信に漲っていて、無人島でも生き延びられそうな生命力に溢れ、即決即断の行動力を持っている。なんだかよくわからんが、この人についていけば間違いない、と思わせられるパワーがある。
脇役たちもそれぞれ魅力的。堅物左近と毒舌クールビューティ石田さんのスピンオフをどうか…!第一回会合を頓挫させかけた「問題」とやらが気になって、夜も眠れません。