友達100人できるかな 1-4
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新たな家族の誕生にささやかな幸せを噛み締めていた矢先、直之は「平凡なサラリーマン」から「人類の救世主」への転身を余儀なくされる。
突如、東京上空を占拠した未確認飛行物体。地球侵略と引き換えに、宇宙人が提示した条件は「愛を証明するために友だちを100人つくること」。人類代表として過去に飛ばされた直之は、二度目の小学生時代で人類滅亡をかけた「友だち100人できるかな」に挑戦することになる。
スケールのデカい設定とうらはらに、直之の挑戦は「友だちづくり」というミニマムなもの。どんな大きな和も、ひとりと一人の絆から広がっていく。日常のささやかな心の交流を丁寧に描き出していくとよ田さんの持ち味が、いかんなく発揮されていた。
見た目は子ども・中身は「学校の先生」である直之の、おっさん坊やな言動がおもしろい。
年をとって忘れてしまったこと、大人になったから見えてきたこと。子どもであり大人である直之には、両方ともかけがえないものとして感じとれる。どんな「過去」も「現在」に繋がるものとして描かれているところがいい。