HUNTER×HUNTER 28
- 作者: 冨樫義博
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/07/04
- メディア: コミック
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これほどに気高いたたかいの結末に、こんな幕引きが待っていようとは……。言葉を失うとはこういうことか。
蟻によって人が捕食される世界、というリアルとかけ離れた設定でありながら、ここで描かれる残酷で非情な生命のやりとりは、どこまでも現実そのものだ。すべてはこの地球上で実際に起こっていること。だからこそ、目を背けることができない。
はるか以前に張られていた伏線がついに繋がったり、ついに蟻編も最終章突入か、というところだけど、この先いったいどうなってしまうんだ!?はたしてゴンは蟻とたたかうことを選ぶだろうか?
幽介が飢える雷禅に、死を選ぶくらいなら人間を食えばいいと言い切ったように、ゴンも大義だけに拠った選択をするとは思えない。
ただの化け物に過ぎなかった蟻たちは、たたかいのうちに「心」を持ちつつある。王が生かす価値のある人間を認めたのと同様に、ナックルたちもまた、蟻をただ駆逐するための対象とは見れなくなっている。それでも、ネテロ会長がその死を以って示したとおり、蟻と人間の間には決して相容れぬ一線が横たわっていて、共存はありえない…。
次巻を震えて待つ!