思い出を切りぬくとき
- 作者: 萩尾望都
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2009/11/04
- メディア: 文庫
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あれだけおもしろい漫画を描く人の文章なのだから、当然のようにおもしろい。あんなにすごい漫画家さんなのに、ちっとも気どった感じがないのがまたすごい。
バレエを観劇するためひょいとブリュッセルへ飛んだかと思えば、紅茶に砂糖を入れる・入れないで友人と喧嘩する。驚くべきフットワークの軽さと、瑞々しい感性と、小市民根性とが違和感なく共存している。
萩尾先生の言葉は、素直でとてもわかりやすい。それでいて、書いてある内容はとても鋭く、深いのだ。
イラストや構想ノートの一部が本文中に挿入されていて、それがまたいちいち素晴らしく興味深い。ファンにとっては垂涎の一冊。