パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

ブレッド・ウィナー

新装版。旧版既読。
ふたごの連れ子をかかえてさびれたパン屋を営む主人公・太一のもとに、現れた元同級生のパン職人・長谷部。長谷部は独立までの腕試しとして、太一の店でアルバイトをさせてほしいと申し出る。しぶしぶ長谷部を迎え入れることにした太一だが、おおらかで頼りがいのある長谷部の存在は、やがて太一にとってなくてはならないものへと変わってゆく。
学生時代の挫折から人生をひねていた主人公があたたかい周囲の人々に支えられ、少しずつ自分の足で前へと歩き出す、月村奎らしいビルドゥングス・ロマンにしあがっている。
書き下ろしはめずらしい攻め視点。
この攻め視点私はすごく気に入りましたよ〜、月村先生。(ここでいっても)