アオイホノオ 7
- 作者: 島本和彦
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2011/11/11
- メディア: コミック
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いっぽうで一頁も描いていないのに、気分はもうプロ漫画家な炎。
理想や方法論に固執して身動き取れなくなっている炎を、純粋に楽しむことにだけ没頭する庵野がどんどん置き去りにしていくさまに、才能というものの残酷さを見せつけられる。
何かを究めていく人って目的を追求するだけじゃなく、手段を研ぎ澄ますことのできる人なんだろうなあ。理想を求めるだけだと、どうしても自分のマイナス部分ばかり見つめることになる。それってやっぱり、楽しめないよな。「この人、神様に選ばれてるなあ」って思わせられる人ってみんな、苦しんで這いずり回っても、最後には自分の可能性にわくわくしている気がする。
そして、むやみな自意識とコンプレックスに塗れた青春時代の鬱屈を、ごろっとさらけ出してエンタテイメントに昇華している島本和彦も、やっぱり天才だなあと思うのだった。