パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

嫌煙家のテーブル

嫌煙家のテーブル (マーブルコミックス)

嫌煙家のテーブル (マーブルコミックス)

百年の孤独…ってなんか 松下っぽい響き」
「…どういう意味?」
「1人で立ってるのが様になる」
「…………」
「俺は火星に仲間を欲しがるタイプだから 二十億光年の孤独の方かな」
「…谷川俊太郎好きなの?」
「誰それ?」
「えっ? なんで作者知らないの」
「その本面白い?」(笑った! こんな笑い方すんだ)
「面白いけど… 同じ名前の人物がやたらでてきて アホかって思う」


デッサンの確かな絵も好みだが、セリフ回しや独白めいたモノローグがいい。テンポよく、ウィットに富んでいてするする読めた。引用は高校生同士のそわそわする想いを描いた「はつこい」から。
表題は、ゲイの編集者・津川はイケメンシェフ・梅田とのキスをかけて禁煙に挑戦する。遊びのつもりが、梅田のストレートな愛情にだんだん骨抜きにされていく津川。落としたいのに落とされそうで、プライドと欲望の間で葛藤する津川がかわいい。
本編では経験値でまさる津川が梅田のお初をいただいたけど、こりゃー津川は受けなきゃでしょう。絶対津川受け!!と念じていたら、おまけ漫画で念願かなってのリバーシブル!
可愛げなんてないはずのおっさんがめろめろに可愛がられて拗ねてるのがかわいかった〜。