梅鶯繚乱―長州幕末騒乱曲― 1-2
- 作者: 会田薫
- 出版社/メーカー: 講談社
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幕末といえば、なんせ血なまぐさく物騒な時代。冒頭から悲劇の香りが漂っている。
ふたりのなじみの芸妓も交えたロマンス要素もあるが、かつて同じ志を抱きながら袂をわかった、男ふたりの関係のほうが興味深い。憧れていたがゆえに、異なる道を選んだ高杉をゆるせない武人の愛憎相反する感情に萌える。
もともと意匠に凝った画面作りが特徴の漫画家さんだけど、細部まで密度の濃い作画は圧巻。雪の降りしきるなか武人が船出するシーンからは、息も凍るほどの寒さが伝わってきた。
作者自身も並々ならぬ想い入れがあるようで、かなり本格的な時代ものになっている。1巻は気合いゆえか詰め込み過ぎた感もあり、私のような歴史の素養のない人間には読むのがつらかった…。2巻からはぐっとキャラクターの内面に迫った内容で引き込まれた。今後の「ドロドロ」な展開に期待。