パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

flat 8

マイペース高校生と超忍耐児のハートフルストーリー、ゆるっと完結巻。
お花見するあっくんと平介の口絵がきれい。青桐さんのカラーは水彩っぽいぬり方でぬくもりを感じさせる。
じーじの家にあずけられることになり、平介とお別れすることになったあっくん。大人たちは、一生の別れというわけでもないのだしと慰めるが、あっくんのしょんぼりぐあいはハンパじゃなく。
子どもと大人の間では、お別れの重さが全然ちがう。
お別れにセンチメンタルな感情を抱いたことのない平介も、ひとり我慢しようとするあっくんのさみしさをいくらか分け合えたら、と思う。
これまで感情をむき出しにしたことがなかったあっくんのはじめての「わがまま」に、読んでるこっちの涙腺も崩壊。最後まで平介は平介のままだったけど、そういう平介だからこそ、あっくんはこうして自分の気持ちを伝えられたんだろうねえ。大団円。
あっくんはきっと、お父さん似のデカいイケメンに育つんだろうな。十年後の平介とのあれこれは、私の脳内で完結させとくから、心配すんな…!