パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

東京喰種 1-3

不慮の事故で人肉を糧とする怪物・喰種(グール)になってしまった大学生・金木。憎しみが連鎖する混沌とした社会のなかで、人間でもグールでもない自分だからこそできることを金木は探し始める。
書店で十代の若者たちがつぎつぎ手に取るのを見て興味を惹かれた。
異形の力を得て苦しむ主人公、というのは長らく書き継がれてきた古典的テーマ。しかし、ヴァンパイアや魔法少女にはいささか食傷していたところだったので、「喰種」という設定のオリジナリティだけでずいぶん新鮮に感じる。割り切ったファンタジーではなく、現実に寄せた世界観もいい。
金木くんが覚醒してからが本番のようなので、おもしろくなるのはむしろこれからかな。