僕は君のいいなり
ベタなAVみたいな表紙だな~と思っていたら、中身もまんまAVやんけ!
魔が差して、憧れる後輩のジャージを自慰につかってしまった冴えないゲイのテニス部員が、その現場を本人に目撃され、逆にオモチャにされてしまうというエロ漫画。
自分のジャージが好きでもない相手にオカズになんかされていちゃあ、身の危険を感じて到底おもしろがっていられない気がするのだが…BLの気配を察知して、一瞬でさわやかイケメンからS攻めへとクラスチェンジした後輩くんの攻め男優っぷりに笑った。
ゲイじゃないのに先輩を性の捌け口にしようとする後輩くんの動機をもうちょっとしっかり描いてくれれば、エロだけじゃない漫画になりそうなのにな。
みぃはなんにも知らない。
純粋無垢な幼なじみの恋心に付け入って、すべて忘れられる気持ちのいいことを教える幼なじみの執着。石膏像に欲情する少年と少年を殴って興奮する先輩、ふたりの関係を知り嫌悪を募らせる同級生の空虚な三角関係。うつくしい恋人が他人に抱かれる姿を見ることでしか満たされない、不細工な高校教師。
マイルールに縛られた人間の歪な恋愛を、独自のフェティシズムを込めて描いた作品集。支配することでしか愛せないというのも、人の弱さであるのだろう。
恋愛のエグみがたっぷり詰まっていて、けして美味くはないのに、不思議と後をひく。
シュガーベイブ
幼いころ、老若男女を魅了する愛らしい容姿で「天使」と呼ばれていた千果。
時を経て、千果は見事イケメンDKへと成長したのだが、初恋のトラウマのせいで、かわいくなくなった自分に価値を見いだせない。
まともに食事もとらない千果を友人たちが心配するなか、千果は天使だった小学生のころ、たったひとりの友だちだった恵純と再会する。恵純はいまも千果は「可愛い」といい、不器用ながらもまっすぐ想いをぶつけてくる。
しかし、ふたりの前にかつて千果を傷つけた従兄が現れて…。
これは暮田さんの作風なのかもしれないが、あちこち設定を盛った結果、BLとしては尻切に終わりがちなところが残念。千果のトラウマの原因である従兄が登場して、さあ当て馬登場か!と盛り上がってたら、何もせずにフェードアウトしてしまったり。
天然だけど千果を愛することにかけては誰にも負けない恵純と、無自覚に愛されまくり(友だちはみんな千果親衛隊)な千果のカップルはとてもかわいかったので、もうちょい先まで見てみたかったな。
フーゾク店で彼氏はできるか?
海辺の町にある場末の風俗店って、河馬乃さんの作風にぴったりだな~。
他人の欲望に尽くす仕事って楽じゃないだろうけど、そこで働く人間にとってはそれが日常。キレイごとでも、悲劇でもない、そこでしか生きられない者の諦念としぶとさがちゃんとある。
淫乱すぎると恋人から別れを言い渡され、離れた町の風俗店で黒服として働くことになった及川。エロい現場を見すぎてEDになったという先輩黒服の花村は、気のいい親切な男でなにかと及川の世話を焼いてくれる。
ささいな接触にも反応する身体を元に戻そうと我慢を重ねる及川だったが、エロいことに事欠かない職場で平静を失い、花村の手にすがってしまう。
まず花村さんのモブっぽさ全開の眼鏡キャラがいい。
たいしてモテたことはないけど、まったく経験値がないわけでもない至って平凡な男。そんな花村が、地味なくせにやけにエロい及川に惑わされて流されていく姿は、まるで気の毒なエロゲの主人公を見ているかのよう。
気持ちいいことには抗えないのに「ホモ」になる覚悟は固められない。攻めらしからぬ臆病さが人間らしい。
ノンケでEDの花村さんすら惑わす及川のエロさは尋常じゃなかった。肩を掴まれただけでイキかけるって、もはや感度がいいってレベルを天元突破してるだろう!
本人すら制御不能な「魔性フェロモン」で、EDだったはずの花村さんを見事身体で落としてしまう。
ぜんぶすっ飛ばしてお互いの欲望を解消し合うようになってしまったせいで、なかなか恋へと進展できずにすれちがうふりがかわいかった。
ラブラブになったふたりときたら文字どおり際限がなくて、いつまでもバカップルのままでいてほしい。
好きじゃないって百回唱えた
好きじゃないって百回唱えた (THE OMEGAVERSE PROJECT COMICS)
- 作者: 河馬乃さかだち
- 出版社/メーカー: ふゅーじょんぷろだくと
- 発売日: 2016/06/24
- メディア: コミック
- この商品を含むブログを見る
出来心で帯をとってみたら、かなりカゲキな表紙でびっくり。金髪ホストが眼鏡に前髪ふん掴まれてる…!圧倒的DVの予感!
インテリ眼鏡の調教系BLは、どっちかというと苦手な部類なのだけど、言葉のせつなさに惹かれてタイトル買いしました。
感想は本宅てにて。 〈感想〉
大胆不敵ラブコール
大胆不敵ラブコール (バーズコミックス リンクスコレクション)
- 作者: 塔サカエ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックスゲントウシャ
- 発売日: 2016/06/24
- メディア: コミック
- この商品を含むブログを見る
歳をとったせいか、近頃じゃ高校生くらいの子が一途に恋している姿を見ているだけで、なんだか泣けてきてしまう。
この漫画のふたりも、バカで不器用でとにかく一生懸命。
壊れ気味の涙腺を直撃する、どストレートな青春ラブコメディ。
感想は本宅にて。 〈感想〉
それに名前をつけるなら
- 作者: 鮎川ハル
- 出版社/メーカー: ソフトライン 東京漫画社
- 発売日: 2016/06/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
これ大っっっ好き…!童貞年下攻めバンザイ。
感想は本宅にて。 〈感想〉
ギフト
整体師の修(家では年中ジャージ)と、バイヤーのカンちゃん(重度の服狂い)の同棲生活を描いた「地獄行きバス」の続編。
つづきがあると思ってなかったから、めっちゃうれしい~。
モノへの執着がまったくなく、いつだってモノより思い出な修と、とにかくファッションが大好きな物欲の塊であるカンちゃん。まったくかみ合わないふたりなのに、お互いの欠けた部分にぴったり収まる相性の良さ。マンネリなんて感じさせない夜の激しさも含め、相変わらずのラブラブっぷりを堪能しました。
ほのぼの日常BLかと思いきや、修の家庭環境には明治さんらしい翳りがうかがえるところも、またよいスパイスになっていた。修がカンちゃんの浪費癖に寛容なのは、もとがお金持ちだからってのも影響してるんだろうな。
読みすすむうち、だんだんふたりの根っこにあるものが見えてくる。まるで、友だちのことを知っていくみたいでちょっとうれしい。
6月まとめ
BL小説:1冊
BL漫画:24冊
一般漫画:12冊
同人ほか:24冊
計 61冊
=====
あたらしいものとの出会いより、積みアニメ&積み漫画の消化に励んだ6月。
今月のベストはいわずと知れた傑作少女漫画、萩尾望都「半神」。いまでもバリバリ現役で活躍されている萩尾御大ですが、「半神」はさすが全盛期の作品だけあって、絵も物語も神がかっている。紙と墨だけでこれだけの宇宙をつむぎだすなんて、人間業とは思えない。
oimo「オゲハ」は、同人誌のころから非凡さを発揮してた作家さんの商業デビュー単行本。蝶の少女と無気力少年のボーイミーツガールストーリー・・・のはずが、全編にただよう不穏な空気がなんとも不気味。まるでネグレクトの家庭をのぞき見ているよな、後ろめたさが妙に癖になります。
新刊が出るごとに絶賛してますが、やっぱり5巻もすごかった清家雪子「月に吠えらんねえ」5。5巻はついに・・・白さんと朔くんがむにゃむにゃなことになっております。同好の士の方々は必見ですぞ!!
BL漫画でぐっとつかまれたのは、秋平シロ「いちばん遠い星」。両片想いって、ほんとうにいいものですね。