パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

硝子の街にて 4-5

「1日3冊読めば、全22巻も一週間で読み終わるではないか!」と天啓をえた心地で読み進むも、一晩にして挫折。3冊目を開いたまま寝落ちる。最近寝つくのが早くて困っている。その分朝も早いからプラマイなのかな。


ついにノブに想いを伝えたシドニーだけど、二人の関係は親友同士のまま。
二人ともおおざっぱでいい加減なようで、とても繊細な一面をもっている。一段一段踏みしめるようにしか階段を昇れない。一段飛ばしに駆け上がろうものなら、踏み外して落っこちるかもしれない恐れを覚えながらも、少しずつ距離を縮めていく。じれったいけれど、相手を大切に想うからこそ慎重になるのだ。
ゆっくりと二人に新たな季節がめぐりはじめている。

このシリーズを読んでいると、湾岸戦争のことなど完全に忘れ去ってしまっていることに気づいてはっとする。折々に話に聞かされてきた第二次世界大戦や、映像が脳裏に焼きついている9.11はしっかり記憶に刻まれているけれど、ベトナム戦争湾岸戦争は自分のなかではもはや空白地帯になっているのだった。