パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

同人誌5冊

我楽多「存在が生まれる瞬間」「存在が生まれる瞬間 episode0」
日本に生まれてきてほんとうによかった…!!!
「貴様を倒すために生まれてきた!」なんていうお約束な一言を、限りなく曲解かつ拡大解釈したあげく、非常にシリアスで深淵なストーリーを再構築してしまっている。原作をことごとく裏切る、腹黒い正義の味方というキャラクター設定も見事。なにより、「悪の存在なくしては存在しえない正義」という、正義と悪の依存関係を暴きだしているところがこの二次創作の非凡さだろう。


我楽多「APPLE JUICE」
「ワガママだけど愛しくて」画集。


カプチーノ「GEME OVER」「甘い時間」(恋愛成功率50%番外)
いい加減攻め×真面目受けの組み合わせが大好きなので、どちらも堪能した。相手に振り回されているようで、相手を振り回している。トムとジェリーの追いかけっこみたいな恋模様。
まえがきに「日常の中の非日常としての恋愛」とあるのだけど、まったくそのとおりだ。私たちの周りにもふつうにいそうな平凡な人たちが、ごくあたりまえに出会って、だんだん距離が縮まって、ときに恋愛に発展したりもする。事件も奇跡もなにもないのだけど、そのなにもなさが特別に思えるような恋って素敵だ。地味で、ちょっと冴えないところが等身大でいい。