パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

ゴクラク305

ゴクラク305 (バーズコミックス ルチルコレクション)

ゴクラク305 (バーズコミックス ルチルコレクション)

大学の寮で同室のおーすけとみーくんは、部屋のなか限定の恋人同士。地元を離れて暮らすようになればもっと恋人らしくできると期待していたおーすけだったが、みーくんは頑なにふたりの関係を隠そうとする。幸せなのにモヤモヤを打ち消せずにいた矢先、ふたりの愛の巣である305号室にあらたなルームメートが入室することになる。
好きだから好きっていいたいおーすけと、好きだけど好きといえないみーくん。恋人を大切にしたい気持ちと、「同性愛者」であることを認められない罪悪感。
ただ「好き」という気持ちだけで越えていけると思っていた、自分のなかにある矛盾。好きだからこそそのささいな濁りをゆるせずに、傷つけあうふたり。恋して結ばれれば愛の力でハッピーエンドっていうんじゃなくて、ハッピーエンドになるために必死にもがく姿が素敵だ。
305のもう一人の住人である、恋愛運のないゲイ・樹くんの話も同時収録。